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祝!『レオニー』海外版完成&新著出版記念 松井久子監督緊急インタビュー

ご無沙汰しておりますが、みなさま、お元気ですか?
昨年の今頃のレオニー・レボリューションと熱気を昨日のことのように感じている、マイレオニー・ブログ編集長shioriです。

マイレオニー・ブログをいつも更新してくださっているwakkiから、ついに「
レオニー」海外版が完成したようだと聞き、早速松井監督にお願いして、大変僭越ながら、みなさまの代わりに試写を拝見させていただき、何はさておきと、監督インタビューを挙行してまいりました。
何と12月17日、監督の新刊書が発売になるというニュースも伺いましたので、監督のご近況と合わせてレポートします。



132分が100分になった海外版の感想

最初に、海外版を拝見した筆者の感想を述べさせてください。

まず大きな違いは、何といっても本編の所要時間。日本版の132分に対して、海外版は100分。コンパクトにまとめられ、テンポが速くなっています。

日本版が持つ深淵さ、たゆたうタイム感、微妙な“あわい(間)”の代わりに、ストレートでリリックにわかりやすさが強調されており、世界でウケるなと直感!

監督としては、短縮するためのカットに苦悩されたそうですが、見応えは日本版そのままに、さらに今っぽく若々しく国際的に通用するエンタテインメントにシェイプアップされた、というのが私の印象です。

『レオニー』の全体のムードを濃密に彩っていたヤン・A.P.カチュマレク氏の音楽も、単に短くしたりするのではなく、まったく新しい音楽がつけられているという贅沢さ! これがまた、爽やかで清廉で美しくてぴったりなのです。私はこの新しい音楽の魅力にすっかりヤラれてしまいました。

海外版のため日本語の字幕はつきませんが、日本版を観ていらっしゃる方だったら問題ないでしょう。
全編を、レオニーが回想するかたちでナレーションがついているのも、新しい試みのひとつ。全体の構成はいろいろ変わっていますが、これでストーリーは格段に把握しやすくなりました。

私としては、短くなったゆえにむしろ際立つシーンも多々あると感じ、海外版が大好きになりました。この『レオニー』が、これからまさに世界で大活躍するのかと思うと感無量です。
とはいえ、まるでもう1本映画を編集するかのような大仕事を果たされた監督の“産みの苦しみ”たるや!それでは、どうぞインタビューをお楽しみください。


新しいエディターと数ヶ月間、一から編集作業の日々

―― なぜ「海外版」を作ったのですか?

松井 アメリカのプロデューサーから、132分では売るのが難しい、長さの点で2時間以内にしないとハンディキャップがある、と言われたから。まず長いというだけで配給会社が見てくれないというのね。それで最初から、日本での公開が終わったらその再編集をしようと思っていました。

―― どういう作業行程だったのですか?

松井 東京の最終上映が終わったのが今年の3月4日。それで3・11の4日後、3月15日からアメリカに毎月通うことになっていたんです。

私としては、大震災後にこんなことやっていていいのかしら? 他にやるべきことがあるんじゃないか? ってすごく思ったのですが、被災地のために何もできないのが気になりながらニューヨークに通いました。
ニューヨークでは、新しい編集者のサビーヌ・ホフマンと、彼女を紹介してくれたエミリーのお友達のプロデューサー、テッド・ホープと一緒に、7月ぐらいまで編集作業。

同時に、話がわかりやすいように、全体をレオニーの回想とナレーションでつないでいくようにしたから、ナレーションのシナリオも書き加え、それをまたアメリカのライターに翻訳していただいて、エミリーに録音してもらいました。

「レオニーの音楽は他の誰にも渡したくない」とヤン

そういうのが整ったところで8月にロスにもどり、10月いっぱいまで音を入れ直していました。ヤンには新しい音楽を全部、一から作ってもらったんです。
テンポも音のカラーも、編集し直したら合わなくなってしまったので。

―― 別バージョンを作曲というのは、前代未聞ではないでしょうか?

松井 アメリカのプロデューサーたちも編集の人たちもスタッフも、今までアメリカ映画で、1本の映画に全く違う二つの映画音楽が付いたなんていうのは聞いたことがない、と言ってました。
ヤンには最初、予算もないので頼めないと思い、他の人に頼むしかないと言ったのだけれど、どうしても自分が作ると言ってくれて。そういう時に彼がいつも言うのは、「あなたは友達だから」と。後になって、「他の誰にも渡したくない」って言ってくれて。

―― 彼も本当にこの映画を愛しているのですね。エミリーはナレーションに関してどのような反応でしたか?

松井 彼女にしてみれば、日本だけの公開でなく、海外で公開されないと意味がないわけでしょう。彼女はこの映画が自分の代表作だと思ってるから。
本当に何度も、ニューヨークでもロスでも録音に通ってくれました。

カットの嵐に断腸の思い

―― 監督が一番苦労されたのは?

松井 どこを切るか。2時間以内にしなくちゃいけなくて、30分をカットするのになかなか自分では思いきれなくて。

最初、これは海外に見せるものだから、自分はあまり意固地にならずに、信頼できるテッドとサビーヌに任せようと思ってたんだけれど、すご〜くドライに切られちゃって、そうとう元にもどしたかな。
私が敢えて、考えながら見てもらうのを狙っていた部分が、海外ではわかってもらいにくいと言われ、もっともっとわかりやすくしないとだめで、それを自分で思い切るまでには、ちょっと精神的に・・・あったかな。

でも、そうやって2本分作れたのは幸せですよ。大変なことよりも、それがやれたということが本当に幸せ。最終的には自分が納得してこうなったものなので、日本版と2本並べて観てもらえたらおもしろいんじゃないかなあ。

―― どこか日本でも上映できるといいですね。エンディングもびっくりしたのですが、ネタバレになってしまうといけないので映画の話はこのぐらいで。監督のご近況を伺えますか?




12月17日『松井久子の生き方』(六耀社)出版

松井 12月17日、六耀社から新刊が出ます。来年、この出版社が創立40周年で10冊のシリーズ本を出すそうで、その最初の3冊がこの日に出るのですが、そのうちの1冊。シリーズタイトルが「ソリストの思考術」といって、いろんな世界の人たちのいわゆる生き方本なのね。
この3冊は、他に帯津良一さん、C・W・ニコルさん。それぞれ「〇〇の生き方」というタイトルになっています。

私は、自分が生きて来て得たものを作品に昇華して発表するのが仕事だと思ってるから、生き方本を書くのは本当に恥ずかしいの。本当は出版社の意向で、しゃべったことをライターがまとめることになっていたんだけど、しゃべるのでは、なかなか自分と向き合うことができないのね。インタビュアーの質問にとらわれてしまって。それでまず自分で書いて、それをライターの方にリライトしてもらました。

前著の「ターニング・ポイント」は、私が出遭った人を主人公にして、その裏に私を・・・という書き方をしていたけれど、これは、もろに私の幼い頃とか家族とか受けた影響とか、もうみなさんが知らないことがいっぱい書いてある。
だから恥ずかしいんだけど、しかも表紙が顔写真なの(笑)。それから、今まで全然書いたことなかった離婚のことも、書けるところは書いてます。

―― えーっ、そんなに包み隠さず? 監督のお蔵出しですね!

松井 ・・・かどうかはわからないけど、そういう本になってしまってはいるかな。みなさん、どうぞ読んでください。よろしくお願いいたします。

―― もうすぐ読めるのがすごく楽しみです。では最後に、マイレオニーメンバーにメッセージをお願いできますか?

松井 日本の劇場公開が終わってからは、海外版の制作の合間を縫って、全国の上映会や講演で飛び回っていました。やっぱりお客様と直接接することのできる上映会はいいですね。『レオニー』の海外版もいつかみなさまに観ていただけることを願っています。

来年は、気になりながらアメリカと往復している間できなかった、東北の被災地の皆さんの力になれることを・・・と考えています。
少し早いですが、みなさまご自愛のうえ、どうぞ良いお年をお迎えくださいね。


アメリカのフィルムマーケットでは非常に評判がよく、既に買い付けもあり、今後はカンヌなどヨーロッパのフィルムマーケットに出品されていくという、まさに世界へ羽ばたき始めた『レオニー』。
私たちも、世界中のたくさんの人たちに観てもらえるのが本当に楽しみですね。
マイレオニー・フォーエバー!
これからも変わらず、レオニーと松井監督をますます応援してまいりましょう。

| shiori | 映画 『レオニー』 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2011/12/01 2:57 PM posted by: マイレオニーたかまつ
おめでとうございます!!
1月の講演会でどんなお話が聞けるのか
チョー楽しみです。

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