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松井監督、帰国翌日の町田市講演レポート



このマイレオニーブログでもお伝えしてきました通り、
1月30日(土)〜31日(日)に、東京・町田市民フォーラムで
開催された「第10回まちだ男女平等フェスティバル」にて、
松井監督が、映画『レオニー』完成後初の講演を行いました。

松井監督は、前日夕方にアメリカから帰国したばかり。
「今日は朝4時半に目が覚めました。今のところ元気なんだけど、
夕方頃から時差ぼけが始まりそう…」なんて言いながら、
朝10時半スタートの講演開始に向けて町田入り。
天気は、春のスタートを思わせる穏やかな快晴。
松井監督の晴れ女ぶりは2010年も続きそうです。

町田市の「男女平等共同フェスティバル」は今年は記念すべき10回目。
町田市男女平等推進センター共催のこのイベントでは、
毎年、各界で活躍される女性を迎えての講演をメインに、
地元発のさまざまな男女共同参画の取り組みをされているグループの
発表や展示が行われます。
フェスティバル実行委員の皆さんから、松井監督に、数年前からこのイベントの講演依頼が
あったそうなのですが、今年ようやく実現となりました。

約200席のホールは、女性を中心にほぼ満員。

「7年間取り組んできた映画『レオニー』をようやく完成させて、
昨日の夜帰国しました。最初のご報告を町田の皆さんにできることを
光栄に思っています」という最初の挨拶に、
会場は温かく盛大な拍手に包まれました。

講演は、映画『レオニー』のベースとなる、イサム・ノグチの経歴、
そして実在したイサムの母、レオニー・ギルモアの人生の紹介から
始まりました。レオニーがどうして野口米次郎と出会い、イサムが産まれたか。
その波乱に満ちた人生の中で、レオニーは、自分に訪れた
運命を受け入れ、米次郎や、彼女を取り巻く環境に嘆き恨むことなく、
ひとりでイサムを芸術家に育て上げます…。

昨年は映画の撮影に入っていたため、松井監督の講演は、2008年12月以来。
過去にいくつかの講演を聞かせていただいているwakkiも、
監督の講演を聴くのはほんとうに久しぶり。

今まで監督がこういうスピーチをするとき、レオニー・ギルモアは
実在していた人物とはいえ、映画の存在はシナリオだけ。
レオニーを演じる主演女優も未定でしたから、監督の話すストーリーを、
まさに“物語を聴く”ように聴いていたのですが、
今の講演では、もう、その映画は、できている!
実際の映像を多少なりとも思い浮かべながら聴いている自分に気づき、
感激と嬉しさで、胸がいっぱいになりました。

この日の松井監督の講演テーマは「人のせいにしない女性の生き方」。
では、その後に続いた講演内容のダイジェストをどうぞ。



松井:「私はこれまで3本の映画を撮りましたが、
自分が映画を作るものとして心がけていることがありました。
映画作品には、3つの要素が3分の1ずつ入っていないといけない、と。
1つめは芸術性。2つめは娯楽性。へんにアーティスティックにわかりにくい作品になってはいけないと思っています。3つめは…そこが何よりも自分の個性だと思っているのですが、社会的へのメッセージ性です。社会的なメッセージがあるからこそ、こうして全国の皆さんが、私の映画を応援して広げてくださったのだと思っています。

おとといまでアメリカで、映画の最後にスタッフの名前が流れるエンドロールクレジットを作っていて、その人数を数えていたんですけれど、日米あわせて450人ものスタッフがいるんです。アメリカのシーンはアメリカのスタッフが、日本のシーンは日本のスタッフが撮ったので、2本分の映画を作ったようなものですから。

これだけの人数を束ねるリーダーが、監督である私。私は、あらゆる場面で、決定を下さなければならない。もう、判断と指示の連続です。ベテランの俳優もカメラマンも、美術も照明も、現場では「監督、これでいいですか?どうすればいいですか?」という目で私を見ている。自分がリーダーシップをとらないと、前に進まない。

思えば第1作の『ユキエ』では、それが全然できていなかった。自分に自信がないと、周りも不安になって言うことを聞いてくれないんですよね。でも、今回は、レオニーのことを誰よりも長くたくさん考えてきたのは私だ、という強い自信もありましたから、リーダーシップを出していけたと思います。

女性である私がリーダーをつとめる、という経験の上で、強く感じたことが2つあります。

1つは、なんて女性のDNAの中には依存心が根強く巣食っているのか、ということ。本当は自分が決めるより、男性やベテランの人に決めてもらいたい、という気持ち。その依存心からいかに解放されるかというのが、女性がリーダーをつとめることの難しさだと思います。

もう1つは、今日のテーマ「人のせいにしない」に関連するんですけど…

他人が自分の言うことを聞いてくれない、他人が自分の思う通りに動いてくれない、そんなときはすべて理由は自分にあるのだ、ということです。

たとえば女性が、男性の部下を使うような場面。この人は私に命令なんかされたくないのではないか、プライドが傷ついているんじゃないか、…なんて心に持っている限り、関係はうまくいかない。結局は、自分の自信のなさの裏返し。

自分自身と自分の立場、自分のやりたいことに自信を持って、心を開放して、“私はこうしたいの”と伝えれば、相手が男性であろうと外国人であろうと、ちゃんと通じる、ということです。」



映画完成のご報告と感謝の気持ちを込めて、今回の講演では、
『レオニー』日米撮影時のスナップ写真15枚を、スクリーンに
写しながらお話しました。「ここだけにしておいてくださいね〜、実は…」と、
監督がとっておきの撮影エピソードを明かすこともあり、会場は大いに盛り上がりました。

最後の、来場者との質疑応答では、前日夜にこの会場で行われた『ユキエ』上映会の感想を話される方がいたり、(『ユキエ』の原作『寂寥郊野』の原作者、吉目木晴彦さんは町田市在住、というご縁もあります)生前のイサム・ノグチと交流があった男性の方がイサムのエピソードを話してくださったりと、思いがけない出会いも生まれました。

「松井さんご自身が依存心を減らしていくうえで、支えになったことがあればヒントとして教えていただけますか?」という若い女性からの質問には、

「とにかく、過酷な経験を繰り返す、ということですね。自分のやりたいことをやるために、常に自分との戦いを繰り返すということ。人に嫌われることを恐れないことです。自分のやりたいことをやりとげるということは、誰かを敵に回すということでもあるんです。この年齢になっても、誰からもかわいい女性といわれたい、ほめられたい、いい子でいたい、という気持ちをどこかに持っているけれど、自分が好きでもない男性に、松井さんはいい人だって褒められても、どうってことないじゃない(笑)、と思えるようになりました…年齢的なこともあるでしょうね。でも、仕事を離れたプライベートでは、できるだけ普通の、いい女でいたい、と心がけていると思います。」

続いて、男性からの質問。「女性だけでなく、男性も人のせいにしてしまいがちだなと思いながら聞いていました。ただ、男性はむやみに言わないですよね。飲み屋でグチるくらいで(笑)。そんな男性にも、ぜひアドバイスをお願いします」。笑いに包まれた場内。松井監督の答えは、

「最近ことさら思うのは、男だから女だから、という時代は、本当に終わったな、ということです。『レオニー』の時代は大変だったけれど、今はむしろ女性のほうが強いのかもしれません。人のせいにしている限り爽快感がないんですよ。人のせいにしないで自分で決めたら、失敗しても爽快。その爽快感を、私は知ることができたのかな、と思います。」



講演後の、松井監督の著書『ターニングポイント』のサイン会では、40冊以上の本が売れ、マイレオニーのサポーターになってくださった方もいました。販売をお手伝いいただいた町田の皆様、ありがとうございました。ロビーは、去年、撮影見学ツアーやエキストラでお見かけした顔が集まり、ちょっとした同窓会状態に(笑)。



このイベントで毎年大人気だという、「お父さんの食堂」(男性の方々を対象とした料理教室の皆さんがシェフをつとめる)のカレーやケーキをいただきながら(すごく美味しかったです!!)、
実行委員長の前川比佐さん(写真:松井監督向かって右隣)はじめ、
実行委員の皆さんと楽しく過ごさせていただきました。



映画が完成して最初に監督が出会った町田の皆さん、
前川さん、渡邊さん、尾留川さんはじめ実行委員の皆さま、本当にありがとうございました!
次はぜひ『レオニー』公開の劇場でお会いしたいですね!



                            (写真:宮田稚代)

| wakki | 松井久子監督ニュース | comments(5) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2010/02/04 5:29 PM posted by: reiko
帰国早々のホットな話を聞かれた皆さんの熱気がビシビシ伝わってきました。
監督が話された大切なこと、どこにおいてもどのような状況でもあてはまる体験に基づいた普遍的な指針のような気がします。
とにかく「レオニー」公開日を心から楽しみにしています。
2010/02/02 9:35 PM posted by: tomoko
wakkiさんwakkaさん
監督が帰国なさって初の講演会の詳しいレポートと写真をありがとうございます。
まるでその場にいるかのような臨場感と感動を持って拝読いたしました。
町田の前川さんはじめ実行委員の皆様、皆さんの企画のおかげで、映画を完成させたばかりの松井監督の思いに間接的にでも触れることができました。
ありがとうございます!
松井監督!
お疲れ様でした!!
大きなスクリーンで「レオニー」に出会える日を楽しみにしています!
2010/02/02 10:35 AM posted by: wakki
前川さん、ほんとうにお世話になりました!
また、ブログへのコメントも、さっそく
ありがとうございます!これからもぜひ
コメントおよせくださいませ。
アンケートも拝見させていただきました。
皆さんにレオニーのメッセージが伝わって
良かったと思います、ほんとうに公開が
楽しみですね。
2010/02/01 8:21 PM posted by: 前川比佐
早速の報告有難うございます。私もただ今、20代から80代まで寄せられたアンケートの声を全て記録しています。もうすぐできますので送付しますが、30代の女性たちがこの講演で深く感銘を受け、明日から自分の生き方を変えられるのでは断言しているのが凄いです。夕べロスから帰国したばかりの人とは思えない、輝いているファッショナブルな松井監督に乾杯!『レオニー』公開日が待たれます。
2010/02/01 8:08 PM posted by: wakka
アップありがとうございます。町田市は賑やかな街ですね。久しぶりの監督のお話、爽快でした。「人のせいにしない・・・」肝に命じました。
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