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映画監督 松井久子 meets ギタリスト 佐藤紀雄  〜「レオニー」への想いをのせて〜 ギター&トーク・ライブ・レポート
開幕はスペイン舞曲で

3月19日、19時から、銀座・ギャラリー悠玄 地下スペースにて、
私たち 松井久子監督の第三作を応援する会 マイレオニー 主催による
熱狂的なトーク&ライブが行われました。

写真は、クリックで拡大表示されます。



あいにくの雨にもかかわらず、集まってくださった
約50名のお客様でむせかえらんばかりの会場に、
イサム・ノグチが設計したモエレ沼公園の壮大な風景の
スライドが映し出される中、佐藤紀雄さんが演奏するギター曲、
「スペイン舞曲5番アンダルシア」で開幕。



このスペースのイメージがスペインのバール風なので、
スペインの曲を中心にお願いしていたのですが、まさに雰囲気ぴったり。


松井監督のトーク

続いて、司会の藤原淳子さんにより、本会の主旨説明があり、松井監督が登場。



「100年前、知的な教育を受けた女性でありながら、私生児を産む決断をした
イサムの母、レオニー。子供の父親である日本人男性、ヨネ・ノグチには
捨てられ、不幸なはずの彼女が、ヨネの本心を逡巡するより、自分の愛した
結果を引き受けよう、とイサムを産み、差別されずに世界で生きられるよう
芸術家に育てた。

その母親、レオニーを映画にして世に問いたい。また、イサムが少年期を
過ごした当時の日本の美しい自然、四季の移ろいなどが、彼の芸術にどんなに
影響を与えているか、それを描いて世界に送り出したい。その一念でここまで来ました。

いつも、今年こそクランク・インする、今度こそ……、と申しあげて、
構想から5年が経ってしまい、映画を待っていてくださる方々への申し訳なさと、
次は映画を見てください、と早く言いたい、という思いでいっぱいです。
お待たせしていて本当に申し訳ありませんが、どうか待っていてくださいね」


松井久子vs佐藤紀雄 対談

割れんばかりの拍手の後、佐藤紀雄さんとの対談へ。



世界各地で演奏している佐藤さんが、メキシコで、
イサムと交際のあった女流画家、フリーダ・カーロの美術館を訪れた話、
デンマークのルイジアナ美術館の庭園で、竹で編まれたイサムの作品に
出遭い、日本を離れた旅先だけに特別の感慨に耽った思い出などを
語ってくださいました。

「デンマークなのに、何でルイジアナ美術館なのかしら?」と監督。
「美術館のオーナーが生涯で愛したという女性が、ルイスさんとアンナさん
だったそうです」と佐藤さんが答え、会場は爆笑の渦に。


素敵なハプニング

対談終了間近、監督から突然、ご紹介がありました。

「今日は、いろいろハプニングがあり、思いがけないお客様がいらしてくださってます。
イサムと親交があり、モエレ沼公園の建築にイサムと一緒にかかわった、
建築家の川村純一さんと、箏曲家の奥様・川村京子さんです」



そして、川村ご夫妻が、非常に貴重なイサムのエピソードを語ってくださったのですが、
“生イサム”をご存じの方々だけに、そのリアルな内容は感動的。

「晩年のイサムを、いろんな作家の方が、あなたの伝記を書きたいとか、
あなたの恋愛遍歴について書きたい、とか訪ねてみえたのですが、
イサムは、プライベートなことは絶対に話したくない、と言ってました。
そして、みんな僕のことなんかじゃなくて、何で母親のことを聞かないのかなあ。
そのほうがずっとおもしろいのに……と」

「かつてドウス昌代さんの原作 『イサム・ノグチ宿命の越境者』 を読んで、
真っ先に会いに行ったのが、川村さんご夫妻。
私の『レオニー』の原動力になっています」と上気した顔で語る監督でした。




ライブ・タイム



その後、佐藤紀雄さんのライブ・タイムとなり、
珠玉のメロディーがノスタルジーを誘うカタロニア民謡が演奏され、
ここはきっとスペイン? と旅情に酔いしれたくなるような
味わい深い空気に、場内が包み込まれました。

ロドリーゴの名曲、「アランフェス協奏曲」は、本来はオーケストラとの
共演である難曲を、佐藤さんの超絶技巧で、ギター1本で見事に表現。

アルベニス作曲の「キューバ」は、かつてキューバを“発見した”と思った
スペイン人が憧れた、美しき別天地キューバが描かれており、
そんなエピソードを話してくださる佐藤さんのお話が、またとても楽しいのでした。
みんなが、彼のギターと同時に、人間味あふれるあたたかな人柄に魅了されました。

佐藤さんが昨年も訪れたメキシコで仕込んできた、バスケスという作曲家が
去年作曲したばかりの「ギター・ソナタ」。エッジの利いた大胆なリズムが
印象的なパーカッシブな作品で、ギターの腹をリズミカルにバンバン連打しながら、
繊細な旋律を紡ぎ出す奏法に、曲が終わった瞬間、場内にはホ〜〜ッというため息が。



演奏中、プリズム東京支社の新谷暢之さんによって、
ずっとモエレ沼のスライドが上映されていました。
これは、小川裕司さん撮影による写真を、映像に仕立てたもの。
小川さんは日本郵船の副社長でありながら、
写真の世界でもプロのように活躍されています。
その映像が微妙に音楽とマッチして、映画を旅しているような
ファンタスティツクな時間が流れていたのです。
新谷さんはまた、全編通じて照明も担当。
さすがプリズムさん! とスタッフ一同、感激したのでした。


終演、そして打ち上げ

アンコールと、佐藤紀雄さんの次回のコンサートの告知があり、21時に終演。
スペインから南米の作品まで、
ギターに案内されて旅したような濃密で豊かななひとときでした。



同ビル上階にある日本で唯一のシェリー酒専門店「しぇりークラブ」の
レストランでの打ち上げには、岐阜からいらしてくださった澤田信子さん、
松山の映画鑑賞団体「マネキネマ」の石川誠二さん
遅れて参加したマイレオニー会長、斎藤弘美さんも加わって大盛会。

佐藤紀雄さんから、
近々、メキシコ在住のバイオリニスト、黒沼ゆり子さんに会うけれども、
松井監督のDVD2作品を渡したいと思っている、というお話があり、
監督は大変喜んでいらっしゃいました。



4ヶ月間にわたる入院生活からやっと退院され、駆けつけてくださった松本侑壬子先生
ご多忙の中、いらしてくださったMさんが、打ち上げに参加されなかったのは残念でしたが、
マイレオニー主催のイベントとしては、めでたくも初黒字が出たそうで、
今イベント実行委員長、藤原さんから、佐藤紀雄さんと松井監督に
“薄謝”が渡される、という記念的一場面も。

また、この場で、佐藤さんがサポーターになってくださったことを
ご報告しておきます。23時半、にぎやかなうちに散会となりました。
いらしてくださった皆様、お手伝いくださった皆様、
すばらしい会場をご提供くださった、ギャラリー悠玄の佐藤省さん、
オーナーの高橋さん、どうもありがとうございました。(shiori)


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【佐藤紀雄さんコンサート告知】

●3月27日(木) 19時開演
公園通りクラシックス にて
佐藤紀雄さんが音楽監督を務めるアンサンブル・ノマドのライブ

プログラム

シェーンベルク:6つのピアノ曲Op19
ウェーベルン:3つの歌曲Op18(ソプラノ、クラリネット、ギター)
福士則夫:パラタクシス(クラリネット、コントラバス)
レブエルタス:バイオリンとピアノのための3つの小品より
徳永崇:潮招蟹(ヤクジャーマ)の呪文
ロバート・ディック:Flame Must Not Encircle Sides
     フルートの特殊奏法―循環呼吸―重音を使った独奏曲

米倉香織:Tokyo Impromptu 東京即興曲(バイオリン、ギター)

出演:
フルート 木ノ脇道元
クラリネット 菊地秀夫
バイオリン 甲斐史子
コントラバス 佐藤洋嗣
ピアノ 稲垣聡 大須賀かおり
ギター 佐藤紀雄
ソプラノ 吉川真澄

2008年3月27日(木) 19時開演[18:30開場] 
入場料 3000円[ドリンクつき]

チケット問い合わせ:
公演通りクラックス 03-3464-2701

●5月25日(日)「コンポージアム2008」武満徹作曲賞本選演奏会
http://www.operacity.jp/concert/topics/071205.php

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今回のトーク&ライブイベントは地下スペースでおこなわれましたが、
その上の階のギャラリーでは、カチン・マナスさん企画主催による
ホピ・カチーナ人形展」を開催していました。



北米最古の先住民であるホピ族の文化とカチーナ人形。
実は、レオニーの母方のルーツがこの地域であるといわれていることが、
私たちの今回のイベント開催へのインスピレーションになったのです。

当日は私たちも準備の合間に、またご来場されたお客さまも立ち寄られ
ユーモラスで可愛らしいのに素朴な力強さがある、
カチーナ人形の不思議な魅力にひきこまれました。

この人形展は、3月23日(日) まで開催されています。
22日(土)には、インディアンフルート奏者・Mark Akixaさんの
ライブ演奏と朗読イベントもおこなわれるそうです。

| shiori | マイレオニーのイベント | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
Comment
2008/03/21 10:05 PM posted by: shiori
machikoさん、いらしてくださってありがとうございました。
レオニーの名前を覚えていただいて嬉しいです。
ノグチつながりでイサムもどうぞよろしくお願いします(^^)

2008/03/21 9:17 AM posted by: machiko
素敵な会で、ほんとに楽しませていただきました。

昨日の会で、松井監督が撮られる映画が「イサムノグチの母」であって「野口英生の母」ではないことが明確に(笑)。「レオニー」が人の名前でイサムノグチのお母様の名前ということもしっかりわかりました。

このブログを拝見すると、客席にいたときの様子がよみがえります。ギターの音色と選曲もぴったりでよい雰囲気に浸りました。
ご縁をいただいて参加できてよかったです!!
ありがとうございました。
2008/03/21 1:07 AM posted by: shiori
そうなんですよ。
佐藤さん、打ち上げの時もみんなに引っ張りだこになっていて、人気急上昇で私もびっくり!
(もともとハートのラブリーな方ではありますが…)

本番前にお茶してる時は、お二人が、映画監督と音楽監督という立場は孤独で似ている、という話をされていて、う〜んとうなってしまったのでした。

このイベント、第2回があるといいですね。
2008/03/20 11:14 PM posted by: tomoko
あー・・・参加したかったです!
お会いしたことのない佐藤さんのファンになりました!!
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